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- 2023.08.09 Wednesday
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JUGEMテーマ:キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタント養成講座 第5回名古屋ABクラスの4日目が修了しました。 この日、受講生皆さんは30分の面談のロールプレイングを録音し、逐語録の作成に向かいます。
作成した逐語録については、ここまでに学んだかかわり行動、かかわり技法をふりかえり 経験を適切に再現できているかどうかをのちに点検します。
逐語録採録のためのロープレを観察していて、スキルトレーナーとして反省するところがあり 再度、アレン・E・アイビー訳本を2冊ほど、ひもといてみました。
CDA資格対応キャリアコンサルタント養成講座では、カウンセリングの展開を 「経験代謝」というサイクルで説明し、下記のプロセスを意識した面談を奨励しています。
経験の再現⇒意味の出現(自己概念の明確化)⇒意味の実現
具体的なイメージのつかみにくいところもある「経験代謝」ですが 再読により、経験代謝とアイビーの「面接の5段階構造」との関連に気づきました。
アイビーによる「面接の5段階」は、下記のとおりです。
*マイクロカウンセリングの理論と実践 風間書店 p19)より
1.ラ・ポール
2.問題の定義化
3.目標を設定
4.選択しを探求し不一致と対決する
5.日常生活への般化
このうち「2.問題の定義化」は、本文の見出しによれば(p121) 「情報の収集・ストーリー,不安,問題を聞きだす」と表現されています。
アイビーは、「面接者の最初の仕事は、'なぜクライエント(CL)が面接の場にいて'、 '問題は何なのか'ということを探しあてることである」と述べています。
そして、「この作業には、CLに関する情報収集が伴う」とのことですが 彼の逐語録の「情報収集」では、いわゆる「経験の再現」が促されています。
JCDAが提唱している「経験の再現」とは、問題に関わる「具体的な出来事」と これに対するCLの「気持ちや考え」などがありありと語られることを指しています。
アイビーの面談の逐語録をみてみると、カウンセラーは「2.問題の定義化」において CLに、出来事+CLの気持ちや考えなどを語るよう、丁寧に促しています。
また、アイビーが後に追加した「意味の反映」という技法には 「行動・思考・感情・意味の4つの側面は、同時に、そしてつねに機能」していて 「多くのクライエントにとって、”意味”は中心的な核(コア)である」という思想があります。
つまり、経験を再現し、その意味に気づくとともに実現したい自己概念にも気づく …という「経験代謝」のアイデアは、アイビーの「面接の5段階」で起こる CLの変化のプロセスがヒントになり、派生したもののようにも思えるのです。
「経験代謝」がどのように生まれたかはさておき、「経験代謝」を意識した カウンセリングをめざすには、アイビーの「5段階の面接構造」の深い理解と 彼が提案するトレーニング法を理解し、実践することが近道のように思われます。
ですから、トレーナーとしての私が、いままで以上にアイビーのトレーニング法を よく理解し、皆さんの実践をサポートすべきであると思いいたりました。
ついでながら、「質問」「感情の反映」のセッションで採用されているワークは アイビーが訓練として提唱しているワークであり、提唱の意図も再確認できました。
時間的に忙しいプログラムにおいて、これらのワークをどのように実施すべきか いまひとつ腑におちなかったのですが、創始者アイビーの意図を確認できましたので 効果的(場合によっては、効率的)な運営につなげられそうです。
その意図に関心のある受講生は、ぜひ『マイクロカウンセリング』(川島書店)の p36〜37、p74〜75をご欄になってみてください。