JUGEMテーマ:
CDACDA資格1次試験勉強中の第37回のメンバーから
「自己概念」と「アイデンティティ」の違いについて、質問がありました。
どう、違うの? と、首をかしげている皆さんも多いかも。
まず、CDA受験対策テキストによれば
自己概念とは、「自分とは何か」という問いに名対する答え、です。
自分について、自分で答えるわけなので、その前提には
自分の中に、「自分は、ほにゃららである」という認識があります。
認識があって、それを表す言葉が見つかれば
「自分は、ほにゃららである」と表現することができます。
次に、ある専門家は
自己概念とは、「客体」として観た時の自分…と説明しています。
つまり、お花や動物を観て、「キレイ」とか「かわいい」と言うように
自分を客体として観て、認識して、表現した時の自分が自己概念です。
一方、アイデンティティは「客体」のみならず「主体」も含んでいるそうです。
私たちは自分という「存在」をすべて、認識し、表現できるわけではなく
認識していない自分、だからこそ、表現し得ない自分も居るわけです。
それでも、自分という「存在」は感情、思考、行動の主体となり
環境の中で生き、環境に働きかけています。
アイデンティティとは、認識されていてもいなくても、表現できてもできなくても
厳然として存在する、「自分」という存在の在り様を意味するわけです。
さて、ここからは余談、CDA養成講座のキーワードであり
キーモデルである「経験代謝」についての私見です。
経験代謝とは、経験という栄養が代謝され
私たちの存在を成長させるメカニズムを指しています。
経験代謝はたいてい、内省、内的対話によっておこります。
だから、キャリアカウンセラーはカウンセリングの場において
内的対話が起こる場をつくり、そのような関わりを行うべき…と
考えているのが、CDAというキャリアカウンセラーたちのグループです。
経験代謝とは、いわば「体験の昇華」です。
体験が昇華された時、私たちは新しい自己概念に気づき
新しい自分を意識下で再構築し、新しい自分に生まれ変わります。
「自分は実は、ほにゃららだったんだぁ!」という感じです。
新しい自分は、自分に中に内在するのですね。
内在する自分に気づくことを成長というのか
内在する自分そのものが育って、これを成長というのか
卵が先か、鶏が先か…のように、まだ、よく分かりません。
いずれにしても、成りあがる自分・・
私たちは自分という存在に気づき、より自分に成るにつれ
自由になり、幸せに生きられるようになります。
そして、自分がより自分に成るには、いまここに居る自分を実感し
自分が自分で在ることを、十分に味わうことが欠かせないように思います。
カウンセリングは、内的対話を起こす仕組みであり
内的対話の中で自分で在ることを味わい、新しい自分に気づき
より自分に成っていく仕組みともいえます。
私たちがカウンセラーとして、クライエントの内的対話を促すには
もうひとりのクライエントになりきることが必要かもしれません。
そして、それは、クライエントを共感的に理解しながらも
クライエントの理想的な超自我になること、といえるかもしれません。
理屈では分かっていても、難しいですね、これは。
難しいからこそ、やりがいがあるともいえるわけですが…
キャリアカウンセラー、カウンセラーをめざしている皆さん
本年もご一緒に精進してまいりましょうね。