JUGEMテーマ:
キャリアキャリア教育という言葉が登場したのは1999年頃。
同年の「中央教育審議会答申」で、次のように紹介されています。
「望ましい職業観・勤労観および職業に関する知識や技能を
身につけさせるとともに、自己の個性を理解し
主体的に進路を選択する能力を育てる教育」
この定義によれば、キャリア教育は、社会にデヴューするための
準備を支援する教育といえます。
学校教育とはそもそも、社会人デヴューに備えての準備のはず
…なのですが、学校教育にそういった機能が不足しがちとなり
キャリア教育が登場した、ということなのでしょうか?
背景には、ニート、フリーター等、若年者の未就業や
新規学卒者の採用が抑えられ、就業困難な状況が続いている
社会的な要因が横たわっています。
そして、本来「進路指導」が行うべき将来設計や
将来設計を実現するための能力開発が不足しているのでは
…という教育現場への問いかけもあるようです。
思い起こせば、30数年前の高校3年生の時、担任の先生から
地元の国立大学への進学を強く奨められたことを思い出します。
私は数学が(今でも)苦手で、チャート式・・・という参考書の
数式の解法をすべて暗記して、数学のテストに臨んでいたのです。
確かに、テストの点数はよかったけれども、数学的発想はゼロ。
数学の先生になるなど、とんでもない!というので
国立大学を受験することを拒んで、東京の私学ばかりを受験しました。
ずいぶん、へそ曲がりな生徒! と思われそうですが
私学を受験するなら、理科の受験勉強を省ける・・・という
勉強効率を考えてのことでした、念のため。
担任の先生は、数学の才能があると勘違いしてくださったのでしょうが
もしかしたら、地元の国立大学の合格者を一人、増やしたかったのかも・・・
今となっては、先生の想いは分かりませんが
学校の就職指導、進学指導といえば、進学率とか、就職率とか
進学先、就職先の銘柄がまず、話題になりますね。
そして、それぞれの進学、就職がそれぞれの将来にとって
どのような布石になりそうか…という議論はあまり聞きません。
就職率、進学率は入学者数に影響するので、なんとか押し込みたいと
おっしゃる声を聞くと、そういうことか…と複雑な気持ちです。
なお、進路指導については、ボルドーワインのビッグヴィンテージ1961年
「中学校・高等学校進路指導の手引」で、次のように紹介されています。
「生徒みずから、将来の進路を選択・計画し、就職または進学して
さらにその後の性格によりよく適応し、進歩する能力を向上するように
教師が組織的、継続的に指導・援助する過程」
就職先を決めたり、進学先を決めたりすることを包括しながらも
もっと長期的な視点で、将来に備える支援をすることを意味していますね。
もともと、進路指導=キャリア教育だったのですね。
進路指導の色合いが、就職活動指導、進学活動指導が濃くなる中
長期的な将来設計をふまえて、その布石としての就職、進学を
支援しようという動きがキャリア教育といえるようです。
したがって、キャリア教育で行っているメニュー(活動)そのものは
これまでの進路指導と大差なく、そこで、キャリア教育って何?
…という疑問をもつ先生方も多いようです。
キャリア教育とは、進路指導と手段はそんなに変わらない
でも、目的、方針が見直されました、本家がえりしたわけです。
キャリア教育に関わる資料を下記のサイトからダウンロードできます。
■
プロ講師養成スクール公式サイト 愛知県教育委員会主催「2010年キャリア教育推進フォーラム」の分科会資料です。
出典を明らかにしてくだされば、皆さんのご活用、大歓迎です。
キャリア教育での取り組みについては改めて…