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    アイビーの5段階の面接構造 〜経験代謝に基づくカウンセリングへの近道〜

    • 2017.04.12 Wednesday
    • 14:29

     

    キャリアコンサルタント養成講座 第5回名古屋ABクラスの4日目が修了しました。 この日、受講生皆さんは30分の面談のロールプレイングを録音し、逐語録の作成に向かいます。

     

    作成した逐語録については、ここまでに学んだかかわり行動、かかわり技法をふりかえり 経験を適切に再現できているかどうかをのちに点検します。

     

    逐語録採録のためのロープレを観察していて、スキルトレーナーとして反省するところがあり 再度、アレン・E・アイビー訳本を2冊ほど、ひもといてみました。

     

    CDA資格対応キャリアコンサルタント養成講座では、カウンセリングの展開を 「経験代謝」というサイクルで説明し、下記のプロセスを意識した面談を奨励しています。

     

    経験の再現⇒意味の出現(自己概念の明確化)⇒意味の実現

     

    具体的なイメージのつかみにくいところもある「経験代謝」ですが 再読により、経験代謝とアイビーの「面接の5段階構造」との関連に気づきました。

     

    アイビーによる「面接の5段階」は、下記のとおりです。

    *マイクロカウンセリングの理論と実践 風間書店 p19)より

     

    1.ラ・ポール

    2.問題の定義化

    3.目標を設定

    4.選択しを探求し不一致と対決する

    5.日常生活への般化

     

    このうち「2.問題の定義化」は、本文の見出しによれば(p121) 「情報の収集・ストーリー,不安,問題を聞きだす」と表現されています。

     

    アイビーは、「面接者の最初の仕事は、'なぜクライエント(CL)が面接の場にいて'、 '問題は何なのか'ということを探しあてることである」と述べています。

     

    そして、「この作業には、CLに関する情報収集が伴う」とのことですが 彼の逐語録の「情報収集」では、いわゆる「経験の再現」が促されています。

     

    JCDAが提唱している「経験の再現」とは、問題に関わる「具体的な出来事」と これに対するCLの「気持ちや考え」などがありありと語られることを指しています。

     

    アイビーの面談の逐語録をみてみると、カウンセラーは「2.問題の定義化」において CLに、出来事+CLの気持ちや考えなどを語るよう、丁寧に促しています。

     

    また、アイビーが後に追加した「意味の反映」という技法には 「行動・思考・感情・意味の4つの側面は、同時に、そしてつねに機能」していて 「多くのクライエントにとって、”意味”は中心的な核(コア)である」という思想があります。

     

    つまり、経験を再現し、その意味に気づくとともに実現したい自己概念にも気づく …という「経験代謝」のアイデアは、アイビーの「面接の5段階」で起こる CLの変化のプロセスがヒントになり、派生したもののようにも思えるのです。

     

    「経験代謝」がどのように生まれたかはさておき、「経験代謝」を意識した カウンセリングをめざすには、アイビーの「5段階の面接構造」の深い理解と 彼が提案するトレーニング法を理解し、実践することが近道のように思われます。

     

    ですから、トレーナーとしての私が、いままで以上にアイビーのトレーニング法を よく理解し、皆さんの実践をサポートすべきであると思いいたりました。

     

    ついでながら、「質問」「感情の反映」のセッションで採用されているワークは アイビーが訓練として提唱しているワークであり、提唱の意図も再確認できました。

     

    時間的に忙しいプログラムにおいて、これらのワークをどのように実施すべきか いまひとつ腑におちなかったのですが、創始者アイビーの意図を確認できましたので 効果的(場合によっては、効率的)な運営につなげられそうです。

     

    その意図に関心のある受講生は、ぜひ『マイクロカウンセリング』(川島書店)の p36〜37、p74〜75をご欄になってみてください。

     

     

    マイクロカウンセリング―

    経験代謝 そのま流サマリー vol.7 〜「意味」という言葉の意味とは〜

    • 2012.06.29 Friday
    • 13:08
    JUGEMテーマ:CDA

    CDA養成講座修了生、受講生の方はご存じのとおり
    経験代謝のプロセスには、「意味の出現」というステップがあります。

    アイビーのマイクロ技法の階層表には、「意味の反映」という技法もあります。

    CDA、カウンセリングにかぎらず、「意味」という言葉は
    日常生活でもよく使い、ある意味では、読み書き話すにおける
    キーワードのひとつといえるかもしれません。

    その意味(あ、もう使った!)では、「意味」という言葉の意味を
    私たちはしっかり知っておきたいところです。

    で、調べてみましたら、広辞苑では次のとおりでした。
    ------------------
    1.ある表現に対応し、それによって指示される内容。

     1)ある言語形式によって示され、表される内容。
       または、その指し表し方の型。わけ。
       「単語の意味を調べる」→意義。

     2)言語・作品・行為など、何らかの表現を通して表され、
       またそこから汲み取れる、その表現のねらい・かまえ・こころ。
       「何を言いたいのか、意味が分らない」

    2.物事が他との連関において持つ価値や重要さ。
      「そんな事をしたって意味がない」
    ------------------

    なるほど…

    言葉は符号ですから、その符号が何を表すのか

    それは、人それぞれ、微妙に異なっていて
    家庭でも職場でも、同じ言葉を使っているのに
    違うことをイメージしていて、すれ違った、勘違いが起きた
    下手をすると、トラブルになった
    …という経験、誰でもあるのではないでしょうか

    日常生活でも、どの言葉をどのような意味で使っているのか
    それを互いに、すり合わせながら、会話をすることが大切ですね

    そして、カウンセリングとは
    クライエントが、その言葉をどのような意味で使っているのかを
    カウンセラーが見立て、確かめながら、進める行為です

    しかも、クライエントは、自分がその言葉を
    どのような意味で使っているのか、気づいていないこともあります

    そんなとき、私たちカウンセラーがよく聴き、確かめると
    ご本人も、自身の語った言葉の意味に気づくことができるのです

    ですから、私たちはクライエントさんが符号にたくした内容
    つまり、「意味」を探索するお手伝いをするために
    「はげまし、いいかえ、要約」、自問自答につながる「質問」
    情動にふれる「感情の反映」などの技法を用いたりもして
    経験が代謝され、意味が出現するのを待ちながら
    カウンセリングの場に居つづけるわけです

    「意味の出現」…ある出来事の「意味」が現れること

    言葉という符号につながっているエピソードのあれこれを語り
    それらのエピソードを整理し、その経験の意味が分かること

    意味を知れば、自分史という人生の物語が変わり
    結果として、自分自身もリニューアルされていきます

    経験代謝とは、経験の意味を探り、意味を知ることで
    新しい自分、新しい人生を発見する営みといえるのです

    自分が自分に成るためのマメ知識 〜自己概念とアイデンティティの違い part.2〜

    • 2012.01.11 Wednesday
    • 16:46
    JUGEMテーマ:CDA

    1/5のブログ記事について
    CDA受講生の方から、質問(確認)をいただきました。

    同じように、疑問をもたられた方がいらっしゃるかもしれませんので
    質問者への回答(解説)をシェアいたします。

    なお、ご質問は3分割して、お応えいたします。

    Q1.自己概念は、自分が認識した部分のみで構成されており
       「経験代謝」によって広がる可能性を秘めている?

    自己概念=自分が認識した自分+誤認識した自分(=想像した自分)
    …と、考えると分かりやすいでしょうか。

    認識とは「知覚した外部情報を意味づけして、意識化すること」です

    私たちは、知覚した自分を理想化、肥大化、縮小化して
    実体とは違うように認識することがあります。

    これが、誤認識です。

    自己概念の形成過程では、誤認識が混ざることがままあります。
    また、自分という実体が変化し、新しい認識が必要となることもあるでしょう。

    「経験代謝」は、それらの修正過程と言えるかもしれません。

    結果として、自分についての認識が広がることもあるかと思います。

    Q2.アイデンティティは自分が認識しようがしまいが
       ありのままの自分の存在そのもの?

    アイデンティティという概念は、存在そのものではありません。

    エリクソン(1959)によれば、アイデンティティとは
    「人格的に同一性をもっているという意識的な感情」とのこと。

    エリクソンは、「自己概念、価値観、人生観などの
    人格的側面を基礎として成立する自己に対する感情」とも説明しています。

    「意識的な感情」ですから、アイデンティティも
    意識化されたもの、という前提があります。

    存在とは意識、無意識を超えた実体です。
    エネルギーのようなもの、と言う人もいます。

    自己概念やアイデンティティとは、存在というものを
    ある側面から説明するための概念といえるでしょう。

    なお、専門家によれば
    アイデンティティは「主我」=「主体」の一部
    自己概念は「客我」=「客体」の一部

    「主我(アイデンティティ)」は、「客我(自己概念)」の影響を受ける
    …とされるので、先日の記事では、これをふまえて説明を簡略化して
    「アイデンティティ=客体+主体」とお伝えしました。

    勘違いされた方、失礼いたしました。

    Q3.(アイデンティティは)
        自分が存在している環境との相互作用の中で形成され続けていく?

    アイデンティティ(主我)も自己概念(客我)も
    環境との相互作用の中で、構成⇒修正⇒再構成・再統合を繰り返し
    変化していくものといえるでしょう。

    この繰り返しが、私たちの新しい人格を形成し
    日常的には、これを成長と呼んでいるような気がします。

    なお、先日の記事では、下記のように記述しました。

    「経験代謝」は、客体としての自分の認識が広がり
    より自分という存在について気づいていくプロセスをさしています

    これは次のように、言い換えたほうが適切かもしれません。

    「経験代謝」とは…
    「客我(自己概念)の再認識と再構築をもたらすプロセス」であり

    結果的に…
    「アイデンティティ(主我)の再構成、再統合をもたらすプロセス」であり

    ひいては…
    「自分という存在の在り様に気づき、より自分自身に成るための端緒」である。

    自分が自分に成るために、自分が自分で在るためのマメ知識 〜自己概念とアイデンティティの違い〜

    • 2012.01.05 Thursday
    • 12:35
    JUGEMテーマ:CDA

    CDA資格1次試験勉強中の第37回のメンバーから
    「自己概念」と「アイデンティティ」の違いについて、質問がありました。

    どう、違うの? と、首をかしげている皆さんも多いかも。

    まず、CDA受験対策テキストによれば
    自己概念とは、「自分とは何か」という問いに名対する答え、です。

    自分について、自分で答えるわけなので、その前提には
    自分の中に、「自分は、ほにゃららである」という認識があります。

    認識があって、それを表す言葉が見つかれば
    「自分は、ほにゃららである」と表現することができます。

    次に、ある専門家は
    自己概念とは、「客体」として観た時の自分…と説明しています。

    つまり、お花や動物を観て、「キレイ」とか「かわいい」と言うように
    自分を客体として観て、認識して、表現した時の自分が自己概念です。

    一方、アイデンティティは「客体」のみならず「主体」も含んでいるそうです。

    私たちは自分という「存在」をすべて、認識し、表現できるわけではなく
    認識していない自分、だからこそ、表現し得ない自分も居るわけです。

    それでも、自分という「存在」は感情、思考、行動の主体となり
    環境の中で生き、環境に働きかけています。

    アイデンティティとは、認識されていてもいなくても、表現できてもできなくても
    厳然として存在する、「自分」という存在の在り様を意味するわけです。

    さて、ここからは余談、CDA養成講座のキーワードであり
    キーモデルである「経験代謝」についての私見です。

    経験代謝とは、経験という栄養が代謝され
    私たちの存在を成長させるメカニズムを指しています。

    経験代謝はたいてい、内省、内的対話によっておこります。

    だから、キャリアカウンセラーはカウンセリングの場において
    内的対話が起こる場をつくり、そのような関わりを行うべき…と
    考えているのが、CDAというキャリアカウンセラーたちのグループです。

    経験代謝とは、いわば「体験の昇華」です。

    体験が昇華された時、私たちは新しい自己概念に気づき
    新しい自分を意識下で再構築し、新しい自分に生まれ変わります。

    「自分は実は、ほにゃららだったんだぁ!」という感じです。

    新しい自分は、自分に中に内在するのですね。

    内在する自分に気づくことを成長というのか
    内在する自分そのものが育って、これを成長というのか
    卵が先か、鶏が先か…のように、まだ、よく分かりません。

    いずれにしても、成りあがる自分・・

    私たちは自分という存在に気づき、より自分に成るにつれ
    自由になり、幸せに生きられるようになります。

    そして、自分がより自分に成るには、いまここに居る自分を実感し
    自分が自分で在ることを、十分に味わうことが欠かせないように思います。

    カウンセリングは、内的対話を起こす仕組みであり
    内的対話の中で自分で在ることを味わい、新しい自分に気づき
    より自分に成っていく仕組みともいえます。

    私たちがカウンセラーとして、クライエントの内的対話を促すには
    もうひとりのクライエントになりきることが必要かもしれません。

    そして、それは、クライエントを共感的に理解しながらも
    クライエントの理想的な超自我になること、といえるかもしれません。

    理屈では分かっていても、難しいですね、これは。
    難しいからこそ、やりがいがあるともいえるわけですが…

    キャリアカウンセラー、カウンセラーをめざしている皆さん
    本年もご一緒に精進してまいりましょうね。

    経験代謝 そのま流サマリー vol.6 〜自己概念の影〜

    • 2011.02.12 Saturday
    • 22:24
    JUGEMテーマ:CDA

    本日はCDA第35回Aクラスで、アイビーの支援スキルのうち
    はげまし・いいかえ・要約、感情の反映、意味の反映などを学びました

    様々な支援スキルを選択的に、適切に使うのは難しいものですが
    CDA養成講座では、無意識に自動的にスキルを使うのではなく
    意図をもって使えるようになることをめざしています

    そのためには、ひとつひとつのスキルを
    丁寧に習得していくことが大切です

    そして、ひとつひとつのスキルを丁寧に使うことによって
    「経験代謝」がおこるような、キャリアカウンセリングをめざしています

    「経験代謝」というモデルは、経験を糧にして
    成長を遂げるプロセスを説明しているモデルです

    日常でも、「経験を糧にする」と言われますね

    さて、「経験代謝」というモデル(理論を図で表したもの)には
    「自己概念の影」という概念が登場します

    JCDAの論考「キャリアカウンセリングとは何か」(2009.6)では
    「自己概念の影」を次のように説明しています

    ---------------------------------------------------------------------
    (クライエントが語った)経験には自己概念が表れていると考えられ
    これを「自己概念の影」と名付けました

    クライエントにとってその経験が「どのように見えて(感じて)いるか」を
    クライエント自身が言葉にしてみて、そしてその言葉を自分に
    問いかけることによって、その経験の背景にある自己概念に
    クライエント自身が気づくことができます
    ---------------------------------------------------------------------

    「自己概念の影」という概念は正直なところ、分かりにくいものの
    自分の体験を語ることをとおして、自分はこうである…というイメージ
    =自己概念に気づくことが、自らの成長につながることは分かります

    自分を知らずして、自己改革、自己成長はありえません

    私たちはカウンセラーである以前に、自分自身であるわけで
    自分自身がどのようなものであるか、よく知ることをとおして
    人として成長し、結果として、カウンセラーとして成長していけます

    自分を知るということは時に、苦しいことかもしれません
    それでも、カウンセラーとして成長するには
    自分を知り続けなければなりません

    自分と向き合うのを畏れずに、カウンセラーとして
    成長をしていきたいものです

    ともあれ、モデルを理解しようとすると、考えがぐるぐる回って
    目もぐるぐる回ってしまいそうですね(笑)

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